自分のサイトのトラフィックのうち、実際にどれくらいがボットですか
アクセス解析が示す数字よりずっと多い。この問いに対しては、解析ツールがそもそも適した計測器ではないからだ。JavaScript のタグは JavaScript を実行した訪問者しか数えないので、単純なクローラーやスクレイパーはまったく現れない。一方でページを描画するタイプのボットは Direct(直接流入)に分類され、人間として読まれてしまう。サーバーや CDN のログはすべてのリクエストを数えるので、実際の比率はそちらにある。自社のオリジンログを3時間分だけ取り出したところ、リクエストの約4分の3が、偽装または空のユーザーエージェントを名乗るデータセンター由来のクライアントだった。次にトラフィックのグラフを読む前に、一度ログから測っておきたい
解析タグとサーバーログは、そもそも別のものを数えている
この問いが難しいのは、確認できる二つの場所が設計上食い違うからで、どちらも嘘をついてはいない。ページビュータグはブラウザで JavaScript が実行された後に発火するので、描画するクライアント、つまり実在の人間と、フルブラウザを操作する少数のボットを数える。サーバーや CDN のログはオリジンに届いたリクエストをすべて記録するので、取得回数を数える。サイトマップを取得して1分間に400ページを引き抜き、あなたのコードを一行も実行しなかったクローラーもそこに含まれる。同じサイトが同じ日に、解析上は200セッション、エッジでは1万2000リクエストと報告することが、どちらも正直なまま起こりうる
どちらの数字が正しいかは、何を決めようとしているかで決まる。自分の書いたものが人間に届いているかを知りたいなら、タグの方が真実に近く、ログはあなたを甘やかす。ホスティング費用が動いた理由、検索順位とトラフィックのグラフが噛み合わない理由、先週火曜の急増が本物だったかどうかを知りたいなら、証言できるのはログだけだ。誤りは二つのうち間違った方を選ぶことではなく、いま尋ねている対象を見ることができない計測器から数字を読み取ることにある
- ログにしか現れないもの — 単純なクローラー 検索クローラー、AI クローラー、フィードリーダー、死活監視、セキュリティスキャナー、そしてあなたの記事を転載するスクレイパーは、HTML を取得してそこで終わる。どれも解析タグを実行しないので、ダッシュボードから見ればどれも存在しない
- ログにしか現れないもの — ページ以外のすべて 画像、フォント、JSON エンドポイント、RSS、robots.txt、そして誰かが探りを入れたすべての404。異常なパターンが最初に姿を見せるのはたいていここだ。管理画面を探しているボットには、記事の中に紛れる理由がまったくない
- 両方に現れ、両方で誤るもの — ヘッドレスブラウザ 実ブラウザを操作するボットは解析タグを実行し、デバイス・地域・参照元を伴った普通のセッションとして到着する。平均値を静かに動かすのはこの種で、1行ずつ見ている限り不審な点は何もない
- 解析にしか現れないもの — ページ読み込み後に起きたこと スクロール、クリック、フォーム入力、登録。ログはページを配信したことは教えてくれるが、その訪問に価値があったかは決して教えてくれない。だから答えは乗り換えではなく、両方を読むことになる
そのセッションが人間ではない、という手がかり
「ボット」と書かれた行が出てくることはまずない。出てくるのは、人間の訪問者には作り出せない不自然さの集まりだ。自動化されたトラフィックは、人間らしい不揃いさを演じるのが下手なので、見た目より簡単に見分けられる。怪しいセグメントを取り出し、これを一人の人間の身体が生み出せたかと問えばいい
| 見えているもの | たいていの正体 | そう見える理由 |
|---|---|---|
| 1人の訪問者が数秒のうちに複数の都市・複数のデバイスで記録される | 1つの自動クライアントが、ローテーション型プロキシによって別々のセッションに分割されたもの | 住宅用プロキシを購入するスクレイパーはリクエストごとに IP を変え、解析はその一つひとつから地域とデバイスを独立に推定する |
| 都市も地域も空欄のセッションがまとまって存在し、すべて同じユーザーエージェント | 指紋を一度も変えなかった単一のスクリプト | 実ブラウザは互いに異なる。既定の HTTP クライアントは毎回同じヘッダーを送り、位置情報データベースはデータセンターのアドレス帯について有用な情報を持たないことが多い |
| ビューポート幅が一度も変わらず、売ったことのない小さな町から届く | 既定のウィンドウサイズのまま、クラウドのリージョンで動くヘッドレスブラウザ | ヘッドレス Chrome は指定がなければ固定サイズで起動し、クラウドのリージョンはごく少数の小さな町にある。つまりその地名は読者の情報ではなく、ホスティングの情報だ |
| すべてのページが2秒未満で離脱し、サイトマップの順に訪問されている | リンクをたどっているクロール | 閲覧ではなく読み取りだ。滞在時間もスクロールもなく、並び順は誰かの興味ではなく内部リンクに従っている |
自分たちのトラフィックを監査して分かったこと
ここはドキュメントではなく、agentceres.com を運用して得た話だ。生のオリジンログを3時間分取り出したところ、558 の異なる URL にまたがる 1,438 リクエスト、URL あたり 2.58 リクエストで、そのおよそ4分の3が偽装または空のユーザーエージェントを名乗るデータセンター由来のクライアントだった。割合よりも形が重要だった。多数のページがそれぞれ2〜3回ずつ取得されるロングテールはクロールの姿であり、読者層はそれとはまったく似ていない。しかも目に見える代償があった。その大半は誰も求めていないページに対するキャッシュミスで、読者としてではなく、メモリと帯域としてホスティング費用に現れていた
ログではなく解析側を対象にした二度目の監査では、歪みが二つ見つかり、ボットはそのうち一つでしかなかった。自社チームが社内運用コンソールを閲覧していた分が、サイト全体のページビューの約35%を占めていた。私たち自身が最大の「読者」であり、社内ページもページに見えるので誰も気づいていなかった。次に、Direct に分類されたトラフィックのうち、およそ半分は精査に耐えなかった。1.7秒のあいだに4都市・4デバイスで記録された1人の訪問者、都市欄が空のまま単一のユーザーエージェントを共有するセッション群、そしてソフトウェアの購入地としてよりも巨大なデータセンターの所在地として知られるオレゴンの小さな町から届く、幅800ピクセルのビューポート。その週に並んだ5件の参照元のうち、本物の参照はちょうど1件だった
この修正で次にやるべきことが変わったわけではない。変わったのは、すでに分かっているつもりだったことの方で、その方が厄介だ。ほとんどは二つの手当てで片づき、どちらも費用はかからなかった。まず自社チームを除外する。最大の誤差であり、取り除くのが最も簡単だからだ。次に Direct をチャネルとして扱うのをやめ、まだ正体を特定できていない訪問の入れ物として扱う。一部は自動化されたものだが、残りの多くは ダークソーシャル、つまり参照元を伴わずに届く本物の口コミだ。両者は同じレポートの同じ行に同居していて、それを切り分けることが仕事のすべてになる
FAQ
- ボットのトラフィックは SEO に悪影響ですか
- 多くの場合は悪影響ではありません。検索クローラーもボットであり、来てほしい相手です。クロールされることがインデックスされる唯一の道でもあります。害になりうるのは価値を伴わない量の方で、非常に大きなサイトで、クローラーが本来のページではなくパラメータ付き URL や重複、行き止まりに時間を費やす状態、つまりクロールバジェットの問題です。小規模サイトにとって、ボットのトラフィックは順位の問題になるずっと前に、コストと計測の問題です
- Google アナリティクスがボットを自動で除外してくれるのでは
- 公開されたリストと照合して、既知のボットとスパイダーを除外します。そしてそのリストは定義上、正直に身元を名乗るクライアントで構成されています。クラウドサーバーから普通のブラウザのユーザーエージェントを送ってくるものはそこに載っておらず、照合する材料がない以上これからも載りません。自動除外が取り除くのは、問題のうち行儀のよい半分です
- AI クローラーはブロックすべきですか
- それは衛生管理ではなく戦略上の判断であり、惰性ではなく意図をもって決める価値があります。ブロックすれば負荷は下がり、自分の文章がモデルの学習に流れることも防げます。同時に、顧客が投げる問いに答える側のシステムからも姿を消すことになります。判断材料と、どの制御がどの挙動を左右するのかはAI クローラーとは何かにまとめてあります
- Direct のトラフィックが急に増えたのはなぜですか
- Direct はチャネルではなく、チャネルが分からないという状態です。だから無関係な二つの理由で同時に増えます。自動化されたクライアントは参照元を持たずに到着しますが、メッセージやメールソフト、非公開のコミュニティのリンクを踏んだ実在の人も同じです。Direct が伸びているなら、喜ぶ前にも切り捨てる前にも、まず分解してください。良い知らせにあたる半分についてはダークソーシャルを参照してください
- つまり自分のトラフィックの数字は嘘なのでしょうか
- いいえ。あなたが投げかけている問いとは別の問いに、その数字が答えているというだけです。JavaScript タグのセッションは、いまも人間がページを読んだことのまずまずの代理指標であり、ログのリクエスト数は、いまも負荷とクロールについての真実です。困るのは、一方の数字がもう一方に属する判断に使われたときだけで、それはマーケティングが機能しているかをどう測るかで述べた論点でもあります
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